ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

ソフトウェア品質

No.178 統制と多様性

・統制された美 ここ最近、桜の木を見ると、その葉は紅く色づいて、紅葉の季節を感じさせてくれます。 春の桜(ここではソメイヨシノ)は、一斉に咲き誇ることで、統制の美学を思わせる美しさを見せてくれます。本当に鮮烈な記憶を残すいい仕事だと思います…

No.177 QMSの求めるもの

・正しい作り方 QMSは正しい作り方で物を作ることを求めています。ソフトウェアについても同じことが求められます。ゆえに、作る過程であってもきちんとした管理を求めています。 ・ソフトウェアは1回しか作らないけど 製造業でいう部品とか製品とか繰り返…

No.176 人ではなくプロセスを変える

・品質の悪さを人に押し付けてはいけない 作り手の能力が低いから品質が悪いと結論付けるのは、ソフトウェアの中身を誰もチェックしないからと考えざるを得ないと、最近は考えています。 結局、ちゃんとできているか外からチェックする方法が、動作させての…

No.175 ふりかえることで

・講師をすると Teamsなどで講師をすると、ワンウェイの形になりがちで、何かを感じ取りながら進めるのは難しいと思います。実際に対面とは異なり、手ごたえも感じられず、ただしゃべっているだけのような感じで、どうなるのかなという感じで最後までやって…

No.174 それは人の問題ではない

・不具合が多い開発者は 開発をさせた結果、不具合の多い開発者と不具合の少ない開発者がいたとします。これは実力の差と言えばそうなります。 実力の通りの結果になる開発なら、それは開発者が野放しだったと言えるかもしれません。 ・実力のある人だけを集…

No.173 ソフトウェアを作るということ

・考えて作って確かめる 何を作っても、この3ステップは必ずあります。品質の良いソフトウェアは本当に緻密な積み上げの上にしか組みあがることはありません。 考えなければならないこと、気を付けなければならないことが、半端じゃないくらい多いのです。…

No.172 ダメなのは多くの場合、人ではない

・ソフトウェアの品質が悪いとしたら 作った人がダメだと思うのは、間違いです。その理屈が通るなら、個人に損害賠償請求ができるはずです。工業製品であるなら、ソフトウェアの品質は組織の管理下になければおかしいです。 できないのはちゃんと作っていな…

No.171 人づくりの難しさ

・教育でできること 欲しいのは「出来る人」や「教えられるレベルに達している人」だとします。 教育というのは、知識として与える工程であり、その結果は「聞いたことがある状況に達した人」か、うまくいけば「知っている人」でしょうか。 ・スキルはどうし…

No.170 ソフトウェア品質技術

・知っていないと とは思う SQubokを読むと、この技術は次から次へと書かれています。成果物は品質がマネジメントされた結果の成果物でなくては品質が保証されていないのと同じですから、マネジメントするためには種々の品質技術が必要となります。 読んでい…

No.169 創造と想像

・モノを作る(創造) 開発とはモノ作りに他なりません。そして工業製品として作られたモノは誰かを幸せにするのです。つまり、開発者である以上、その使う人の人生に影響を与えるのですから、いい加減なもの作って済ませるわけには行きません。しかし、本当…

No.168 一番大事なこと

・楽しくなければ どれほどのものが作れたとしても、そこに楽しみが存在しなければ、人の心は疲弊してそれを続けることが困難になります。 人は機械になることができないのだと思っています。 ・自分の楽しさは他人の楽しさとは違うかもしれない 自分の楽し…

No.167 プロセス品質

・できたものを左右するのは 評価してみることで、出来上がったものがどの程度か把握することができます。検証とか検査とかいわれる工程が存在ることで、それを測ることができるわけです。 形のないソフトウェアを測るということは、とても難しいのですが、…

No.166 「出来る人」を作るって

・「出来る人」になった人は、自分でなっている ソフトウェア開発における開発者自身の力量は、品質や納期を左右します。 中には「達人」と呼ばれる人がいて、納期も品質も見事にカバーしてしまったりします。 そして、間に合わなかったり、品質問題を出して…

No.165 品質を測るの一部

・バグ曲線は好きみたいですが よく、バグ曲線を見せろというオーダーが来るのですが、一通りしかやっていないテストのバグ曲線を見て、枯れているかどうかわかることはありません。 残っている不具合の分布が全体に対して一様になる点は一巡だけでは始点と…

No.164 育ちの違い

・洗練されたプロセスで開発をしてきた人は 非の打ちどころのない洗練された開発プロセスでソフトウェア開発を行ってきた人が、手弁当で何とか日々の仕事をこなしているような現場を見ると、プロセスが悪いと口にします。 間違いない指摘で正解であることは…

No.163 いつもと同じの罠

・変わりたくない いつもと同じように遅れる仕事とか、前と一緒といわれても、実は細部が異なったり、この範囲を指定しない「同じ」というのは、変わりたくないとか、変わっていることを認めたくないとか、同じでいることに安心している部分があるように思え…

No.162 全部正しいという矛盾

・立場の違いから 開発部門と品証部門など、立ち位置の違いから、正義が食い違うことはよくあります。 立場が違うので、正しいを積み上げた結果、間違っていると指摘されていると思ってしまうと、味方という印象は薄くなりますよね、心情的に。 ・目指すもの…

No.161 ふりかえるのであれば

・悪かった原因の羅列は大事 とにかく、何が悪くてこうなったのか並べてみるといろいろなことが挙がると思いますが、概ね自分たち以外の原因の物が多く上がるのではないかと思います。 自分たちに解決できないことを挙げて終わるのでは、言っても何も変わら…

No.160 できる人とできない人

・できるようになる人 できない言い訳を、自分以外に求めない人は伸びます。なぜなら、そういう人は反省して、改善を行うからです。 改善して実践して、また反省して改善策を出していく。そうして実力を伸ばしていくのです。 ・できない人は できない理由を…

No.159 改善すべきもの

・ソフトウェア開発をどう考えるか 出来上がればそれでいいなら、難しいことは必要ありません。できるまでやり続けるだけです。評価基準ができたかどうかだけなら、それでいいのです。 そういう価値基準しか与えず、出来上がったものに不具合があれば非難す…

No.158 テストの前提条件と考え方

・完璧に作れるならテストはいらない そもそも完璧に作ることはできません。なのでテストが必要です。それは当たり前な話です。 でも、だからと言って作り手がやってみないとわからないことを放り込んでいいことにはなりません。それをしたなら、きちんと確…

No.157 この不具合がどれだけ重大なのか

・不具合が少ないなら まあ、不具合が少ないから品質がいいと考えがちですが、たった一つでも致命的な不具合が引き起こす損失は計り知れないものがあります。 少ないほうが確率的には及ぼす損失も小さくなる計算にはなりますが、たった一発での逆転が起こり…

No.156 ソフトウェアの品質はどこで落ちるのか

・コードを直すからコーディングミスって訳じゃない 確かに不具合が出れば概ねコードを直します。しかしその原因はコーディングミスとは限りません。もっと状況は複雑で混沌としているものです。 まず、要求から要件が定義され、設計が行われ、最終的にコー…

No.155 盛り上がらない「ふりかえり」を考える

・問題点はたくさんあるのに 盛り上がらない組織では、いつも同じ人がとかそういう話を聞くことが多いです。 それの意味することは何か、言っても変わらないとほとんどの人が思っているということでしょうか。 と、すると、ふりかえりの期待が、少し違う方向…

No.154 組織論

・最低レベルって もし、ソフトウェア開発に理解のない会社で、ソフト屋さんが頑張ればいいんだという単純な思いだけで開発が運用されているなら、その会社のソフトウェアの品質は、ソフト屋さんの中の最低品質のソフトを作る人間が決めています。 良いソフ…

No.153 ふりかえるということ

・KPTってありますよね ふりかえりの手法にKPTという手法があります。これはKeep:今後も維持するものと、Problem:今回の問題と、Try:次回から実施する改善点を決めようというものですが、ふりかえろうとすると、問題ばかり出てきます。 これで大反省会に…

No.152 なぜ、伝わらないのか

・人は自分の持つイメージを言葉にしてしゃべる 教えるにせよ、伝えるにせよ、言葉をもって伝えようとするのは当然のことです。 ですが、品質を低下させることの多くは、これに起因しているように思えるのです。 もちろん、個人的な思いに過ぎない話ですが、…

N0.151 マツダの開発を見て思うこと

・どちらかが譲る調整は何の価値も生まない よく、ソフトウェア開発の現場では品質を犠牲にして納期を守るという言葉が飛び交います。 二律背反するものをマツダではブレークスルーのチャンスとして徹底的にやりあって当事者同士が妥協せず性能をクリアして…

No.150 優れたソフトウェア開発者に高い評価を与えたい

・仕事の速い人は雑な仕事はしていない ソフトウェア開発でコードを書く人は、雑な仕事をすれば自分のところにそれが返ってくることを知っています。だから、出来上がった後のことまで緻密に計算した仕事をします。 ゆえに手戻りも少なく、結果的に仕事は早…

No.149 ソフトウェアの品質は難しい

・最近、ソフトウェア事故の事例を調べていて 某銀行のシステム停止が最近巷の話題をさらっていきましたが、前にもあったのに基本的にソフトウェアに対する理解のない組織であると認識せざるを得ないですね。 実際問題、コード上にバグがあったというより、…