ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.156 ソフトウェアの品質はどこで落ちるのか

 

・コードを直すからコーディングミスって訳じゃない

 確かに不具合が出れば概ねコードを直します。しかしその原因はコーディングミスとは限りません。もっと状況は複雑で混沌としているものです。
 まず、要求から要件が定義され、設計が行われ、最終的にコードが作成されます。この間にそれなりの人がいると思います。

 

・一番のリスクは人と人の間かも。

 人はミスをする生き物ですから、正しい情報をインプットされても、正しいアウトプットを保証できません。コーディングミスにしても解釈の時点で勘違いをしているか、正しい解釈をしていても、手が滑るかやり忘れるかしてミスる場合も考えられます。人から人に情報が渡るとすれば、そのリスクは2倍以上になる訳です。
 よって、人と人の間のところは、かなり注意深くやらないと、ミスが入り込む余地ができます。

 

・伝えるのは難しい

 説明するということは意外と難しいものです。隣の席(今は多分、いませんね)の人に自分の仕事をやってもらおうと思うと、ものすごく大変な思いをすることになります。多くの場合、説明する間に自分でやった方が圧倒的に速いと思います。
 しかも、完全に伝えるのは至難の業で、出来上がったものを見て失望するケースもあるでしょう。プロ同士でも劣化の運命は避けられないと思います。もちろん経験でかなり補えるので、そこまで悲惨なことはそうは起きないとは思いますが。
 結局、お互いの前提の僅かな差に気づかない時が一番危ないと思います。言葉は便利ですが、時によっては悲劇のもとにもなり得ます。どうやって埋めるか、それがその人の価値ともいえるほど、重要なことなのだと思っています。