ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.172 ダメなのは多くの場合、人ではない

 

・ソフトウェアの品質が悪いとしたら

 作った人がダメだと思うのは、間違いです。その理屈が通るなら、個人に損害賠償請求ができるはずです。工業製品であるなら、ソフトウェアの品質は組織の管理下になければおかしいです。
 できないのはちゃんと作っていないからだというのは真理ですが、確実にちゃんと作る方法を持っていない人がそれ言うことは、ただの言いがかりというものだと思っています。

 

・プロセスの重要性

 ダメな人が作ってもちゃんとできるプロセスがあれば、ソフトウェアの品質は組織の管理下にあるといえます。人に依存する程度の組織は恒久的な品質保証は望むべくもないということになります。人の状況に応じて適切に対応できるプロセスを構築し、維持管理していける組織が必要です。

 

・自分の会社のソフトウェア技術者を褒めない経営者がいたら

 現状に満足していないのは悪いことではありません。原因が人にあるとわかっているとするなら、速やかに対策すればいいだけで、文句だけつけている人に存在する価値はありません。
 現状を評価してダメだとわかる。原因が人だとわかるのであれば、対策しないのは経営者として背任行為なのではないかと思ってしまうのですが、そこで終わってしまう組織にどんな未来が待っているのか、想像してもいい方向には思えません。
 人がダメだと思うなら、プロセスに手を付けるべきで、教育するだけでは本当に人のスキルは育たないのです。現状でどう戦うかを考えると一番御しやすいのがプロセスなのですが、そこに気づける経営者がいる組織は恵まれているのかもしれませんね。