ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

ソフトウェア開発は今日も大変 No.1

ソフトウェア開発は今日も大変

第1章 納期は早々に決まり、仕様はいつまでも決まらない

その1 とりあえず納期は決まっている

 


 次の開発が始まるのは、延々と遅れた前回の開発の余波が収まるまで待ってくれることもなく、スタートから遅れているかのような悲壮感をそこはかとなく漂わせ、ソフトウェア開発者の諦念の気持ちの中でこれといったイベントがあるわけでもなく、ただ何となく、それは始まるのだろう。
 
 ソフトウェア開発者は思う、納期はもう決まっているのに、仕様の詳細はまだ決まっていない。これはいつもの繰り返し。昨日まで何度も繰り返された日常である。正しい開発プロセスウォーターフォール、そんな綺麗ごとはできない。できないが、何かを変えることもできない。そうして日常に埋もれていく。
 

 


 さて、仕様より先に納期が決まる。見積もった結果、納期が策定される訳ではなく、まず納期が指定される。これは悪いことなのかといえば、必ずしも悪いことではない。レッドオーシャンを生き抜く企業にとって、競争相手より先に商品をだすことは、とても大事なことなのだと思う。これ自体はおそらく多くの企業で普通に行われていることなのだろうと考えられます。
 
 先に納期を決めることは一概に悪とは言えない。
 例えば、開発期間でおつりが来るくらい先の納期が指定されていれば、誰も不平不満は言わないはずで、短い時にだけ、そういう話になるからです。
 とは言え、余裕がある開発とかしたことはないのですが、納期が先に決まること自体に功罪の罪の部分を負わせるのはちょっと違うかなと思うのです。
 
 商業的に営利団体がロードマップを持つことは当然の事と考えるのは自然であり、それを目の敵にするのは、ちょっと違うのだろうなあと感じているわけです。
 
 では何が悪いのか、少しずつ追いながら考えていきたいと思うのです。