No.148 品質を犠牲にした早さは詭弁かもしれない
・そもそも、仕事の速いプログラマーは
今回はしたない、コードをクリーンにするのは後回しにして、納期を優先しようという言葉は、現場では聞かれるような話ですが、これってどうなのかという話です。
そもそも、きれいで品質の高いコードを書く人は、その域まで達するだけあって、仕事も早いです。手戻りが少ないのだから当然かもしれませんが。
そういう人は、時間がないからと言って手を抜きません。
・品質の低いコードを書く人に時間をあげれば
では、品質の低いコードを書く人に時間をあげれば、きれいで品質の高いコードを書けるのでしょうか?
答えは否です。自分のスキル以上のコードを書くことはできません。
時間のないことは事実ですが、同じことを繰り返している組織にいて、仕事だけをしている人は、スキルの向上は望めないのも事実です。
・人を育てることと、適正に評価すること
組織がワンランク上に至るためには、人を育てることとできる人に適切な評価を下せることが大事です。
それがなければ、仕事が早い人は頑張っていないように見えたり、スキルの低い人が遅くまでやっているのを頑張っていると評価したりすることになります。
知的労働者は、自分の存在価値を高めることが重要です。そして組織は、そんな人を適切に評価したり、指導、教育できなければなりません。
そういう視点のない組織にいるソフトウェア開発者は、スキルを伸ばすことなく、時間を失い、成長機会も失っていくのでしょう。
人も、組織も何が正しいのか、見極める目を持たねばならないということでしょうか。