ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.241 属人性を排するということ

 

・達人になれば品質を上げられる

 ドメイン知識が豊かになれば、それだけ設計でもテスト設計でもその知識をうまく生かして、より高い品質の成果物を作り上げられるという考え方は、当たり前に思えますがその方向に進むのは危険といえます。
 なぜならば、その人を失ったときに同じ品質レベルが保てないからです。これは工業製品としては許容できないことと言えます。

 

・プロセスを重視するとは

 プロセスを重視するとは、普通の人が決められた通りの仕事をしたときに達成される品質レベルが、実施した人に関わらず同じレベルに保たれていることを目指すものです。そのためにいろいろなものが明文化される必要があります。これがプロセスにおける生命線になると思います。

 

・他人は自分の出来ることが出来ない

 多くの場合、自分にも出来るのだから誰にでも出来るだろうと考えてしまうのではないでしょうか。条件が同じになればある程度の人はできるかもしれませんが、ちょっと頼む程度の頼み方では恐らくほとんど場合はできないでしょう。人に頼むほうが大変だからプロセスやナレッジが存在します。故に安易に人や組織をダメだと言ってはいけません。まず、他人はできないのが当たり前だと思うことから始めることが基本にして究極なのではないかと愚考している今日この頃です。