No.86 要求が悪いのではなく

　このところ要求関係の思うところを並べてみたので、整理できて来たようです。

　どうやら問題は作り手側には、ちゃんとした完成された要求が存在するという誤解
　頼み手側には、これ以上のことはあなたに期待していないという善意

　こんなことがあるが故に、両者の溝は埋まらないまま開発に突入し、解のない解を求めてさまよって悲劇を生む、そんな様子があるように思えます。

　完全なものはない、明確な答えはない、この状況から高い顧客満足を目指すことがいかに難易度の高いことなのか。
それがソフトウェア開発の難しさであると思います。

　難易度が低いような内容でも、要求のあいまいさは開発を追い詰めていきます。

　もっと不完全な状況で世界は動いているのです。

　それを前提として考えることがより良い開発環境を作り上げるのでしょう。