No.85 要求のもう一つの側面
言われたとおりに作ったのに作り直しになったという経験を持つ人は意外に多い。
それは単純に言うと絶対の正解が存在するという考えが引き起こしていると考えることもできる。
だから、別の解釈の存在など考えないのかもしれない。実際には頼み手が変わったと思うことが多いかもしれない。
何がどうなるのかは、状況次第ではあるが、要求にはもう一つの側面があると考えたことはあるだろうか。
「駅に行きたいのですが?」
そう訊かれたことはありますか?
この人の要求は”駅に行くこと”に相違はないでしょうけど、その人の真の目的はなんでしょうか?
最終目的地は駅でしょうか?
多分、ほとんどの場合は違いますね。
なのに「駅に行く」ことしか告げられません。
それは何故なのか?
それは、相手に対する期待の部分だけを話そうとしているのだと思います。
つまり相手は善意で真の目的を話さないのです。
そう、あくまでも善意なのです。
よって、聞いたものだけでは情報として十分ではない可能性があります。
言われたことの意味するものを正確に探り当てるためには、何回かの情報のやり取りが必要なのです。
これが不十分だと、残念なことに言われた通り作ったはずなのに・・・という不幸な出来事の原因になる可能性があります。
そんな方々もあれこれ細かなことを聞いたのでは迷惑かもという善意でそうしているかもしれません。
こうして埋まることのない溝の両サイドに善意の壁が築かれ、しなくてもいい苦労をすることになっているのかもしれません。
要求ほど難しいものはないのかもしれません。
そう考えることが、明日の自分を助けることにつながっていると思っています。