No.84 非機能要求と機能
正月恒例の駅伝を見ながら、駅伝で優勝してほしいというのが要求であれば、結構難しい。
絶対値ではなく相対的なものがあるから、1区を〇秒で走るということであれば、OK/NGの判断が容易にできるのだが、そうはならない。
相手がもっと速ければ、優勝はできないからだ。
結局、優勝というのは相対的な差の中で生まれるもので、絶対値だけでコントロールができないことになる。
顧客満足も同じようなものだが、作ったものがどんな機能を持っていてそれが正しく機能しているか否かは判定できるが、顧客が満足するかは別なところが難しいものということになってしまいます。
今年の箱根駅伝は往路では4チームが大会新でゴールしました。
つまり2~4位のチームは、今年の自分以外のチームがいなければ、史上どこよりも早くゴールできたチームだったのです。
総合で見ても上位2チームは大会新記録でした。
非機能要求というものは、ある意味際限がないものになってしまいます。
しかし、1キロ3分で20キロ走れるとか機能定義したものは、OK/NGの判定ができます。
しかし、風や気温、天候、そして他チームなどの要素の中ではそれを機能として確認することはできません。
それでも顧客が満足するであろう機能を定義して妥当性を判断したうえで、作ったものを検証する以外に方法はないのです。
その難しさも、モノづくりの魅力の一つなのかもしれません。