その1では、客自身が明確な完成イメージを持っていないことに起因する話を書いてみました。
それ以外にこれは起きるのかといえば、まだ考えられるケースがあります。
それは、勘違いや思い違いです。
そんなのは確認が足りないからだと思う人がいても当然です。事実それで何とかなるケースもあります。
しかし、不幸な事故はそれらを超越したしたところで起きるのです。
相手の説明を聞いた人は、自分なりに理解をしてイメージを形成します。
そして相手の話を聞きながらそのイメージが正しいのか確認作業を行っています。
#そうでない人もいるかもしれませんが。
確認作業を行う際に、人というのは厄介な生き物で、自分の思いを肯定する理由から探しているきらいがあります。
すると、若干の矛盾を感じても自己肯定してくれる理由を目の当たりにして、なんとなく納得してしまうことがあります。
こうして勘違いしたまま、合意がなされ、作業は行われるということがあったります。
さらに、人伝で仕様が伝えられた場合には、この勘違いが複数、違う箇所に包含されていることさえ考えられます。
結局、言われたとおりにと言ったところで、ダメなものはダメという結論に向けて、漕ぎ出していることに気づけない不幸からは逃れられません。
ここで大事なことは、意思の疎通はワンウェイである限り、成立している保証がないということを知っているべきです。
こちらの理解を相手の言葉とは別の言葉を使って相手に示して、相違がないか確認してもらう行為がなければ、確認したことにはなりません。
結局、作り手が受身でいる限りはいい仕事はできないということを覚えておく必要があると筆者は考えています。