ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.81 完全な要求はない

 

 結局、掲題が結論になっていると思うのです。

 完全な妥協なき要求もないし、要求が不変ということもないと思います。
 そこを固めないで進むということは、後で大きく手戻りをするリスクを背負いこむことにほかなりません。

 一番大きなものが、作ってから完全な作り直しでしょう。
 工数以上に人のモチベーションが崩れるのは大きな損失につながるように思いますが、定量化できないので、個人的な感想の域は出ません。

不完全であることを旨としてアジャイルの思想はあると思いますが、決めなくてもいいとか、いいかげんでいいとかいう話はアジャイルの誤用に他なりません。
OKとNGの線が引けないものは作ってはいけないのです。作り終わった時点で確定することも含めて確定していることが大事です。

 作るというのは、使う為であり、使うを無視した作であることは許されません。

 「使う」の要望は「作る」に対してリニアリティがないのだと筆者は考えています。
 故に、真の要求を引き出すスキルが必要になると考えています。

 そのスキルを身に着けることは、簡単でもなく、短期間に身に着けるのも困難でしょう。
されど、作り手は使い手を幸せにしなければなりません。その対価として報酬を得ているのですから。

 挑まずして身につくものではありません。不断の努力が自らを支えてくれると思っています。