No.57 人はミスをする
たった一つの普遍的な事実である人はミスをするということが、モノづくりにおいては究極の難敵になる可能性があります。
使い手も、作り手も、テストをする人もミスを犯す可能性があるわけです。
成熟した組織は、それに対抗する手段としてプロセスを考え出し、個人のスキルに依存することがないようにモノを作るようになっていきます。
使い手のミスに対しては、フール・プルーフ(最近はこう言わないのかもしれませんが)という考え方があり、それについても考えることをするようになってきています。
それでも、作るものが高度に複雑化していく中では、作り手の想像を絶する出来事が起き、場合によっては人の命を奪ってしまうことがあるわけです。
人がスキルを身に着ければ解決するとか、そういうレベルでしか経営層の人間が考えていない組織では、何か起きても誰が悪かったかだけで話が終わってしまいかねません。
人のスキルアップに任せていけばある意味、そしてある程度効率化はします。
でもそれはその人間のスキルの及ぶ範囲においてであり、その人間のスキルが及ぶ範囲が掴めていない管理者の下では、運でモノづくりをしていることになってしまう部分があります。
その範囲を限定できていれば良いのですが、それがコントロールできる組織であるなら、不安定な人依存の手法は選ばないでしょう。
自分の所属する組織の実力を客観的に見たことはありますか。
あなたの選択がミスだった可能性があったとき、そのミスは誰かがカバーしてくれるでしょうか。
人のミスは必ず起きます。それが誰かの人生を狂わせることがないように、あなたの環境が品質に欲張れる環境であれば、良いですね。