ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.207 #分かるの問題 の教え

 

・分かるの問題とは

 故・システムクリエイツの清水さんが、硬派のホームページの中で掲載していたあるページに書かれていた内容で、とても大きな薫陶を受けたものでした。
「わかりましたか?」
「わかりました。」
 このやり取りにはとてつもなく大きな落とし穴が潜んでいます。
 わかったというのは、自分が分かったと思う範囲内においてのみに対して述べている言葉で、相手がわかってほしい範囲すべてをわかっていることを保証しないということです。

 

・プロセスとしての工夫

 これは要求と成果物の間でも当然起きる問題です。だから分かるの問題に書かれている対応の折り返すという行為を自己の行動プロセスに組み込んでいない人は、分かるの問題の壁を超えることが困難になります。ゆえに手戻りが大きくなるのです。
 自分の理解を相手に示す行為を、当たり前にやる人はこの折り返しができているということでしょう。

 

・言われたとおりに作ったのに作り直しになった

 ソフトウェア品質シンポジウムでこういう話を聞いたときに、分かるの問題を読んでいれば防げたかもと思ってしまった記憶があります。
 同じものを読んでも、何を得るのか、どう行動に反映するのかは、人それぞれではありますが、本当に良いものに触れたら、自己の行動が変わるチャンスかもしれません。

 

分かるの問題