No.189 わかるために必要な時間
・不十分さは確認できない
何が怖いか、自分の分かったと思う範囲が、完全に対象を網羅できているかは確認ができないからです。知らないことを知らなければ、自分だけでそれを解決することは不可能です。
わかるの問題とおなじことで、分かったのはあくまで自分が分かったと思う範囲内での話で、その範囲が今回の対象すべてであることの保証はありません。
・設計するにはわかっていないと
でも設計はするわけです。もちろんわかっている範囲内において、緻密な積み上げをして関係を整理して対応するわけですが、実はその外に必要なものがあるということはよくあるわけです。
アジャイルは変更を受け入れるとは言いますが、これが変わったらダメという部分の変更は受け入れていたら仕事は終わりません。
・最も大事な前提
仕事が進めば、変更できる要素は限られてくるはずです。基礎工事が終わってから家のサイズは変更できません。つまり自由が徐々に限定されていくようになっていかないと、いい仕事にはなりません。手法の都合のいいところだけ枕詞のように使って、ダメな現状を肯定するようなら、その組織の未来は厳しいと思います。
決められない組織は、やがて疲弊に耐えられなくなります。そうなる前に適切な判断が必要だと思います。