No.49 モノづくりの多様性
もしという仮定に意味はないのですが、要求が最初の時点で確定していたら・・・
もし、出来ることがやる前から確定していたら・・・
それでも売れるなら、最高の職場環境に思えます。
しかし、要求は変わるし増えるし・・・やってみないとできるかどうかわからないものが次の製品の目玉にいつの間にかなっていたりすることはあります。
それでいて、遅れたと言われてしまうのは、異常な環境だと言わざるを得ません。
モノづくりのスタンスが間違っている組織があれば、そこにいる人はこの苦労を背負い続けることになります。
プロセスもなにも、出来るかどうかわからないものを期日までに作るなど、不思議な世界になってしまいます。
常に追い込まれて、忙しい職場に人材育成などという概念は存在しなくなっていってしまいます。
それは、今日生きるかどうかのところで、明日のための何かをするのが許容できなくなるからです。
こっち方向の極端なモノづくりの組織もあるし、開発ストーリーなどを読むと、その克服のドラマが美談として語られたりします。
そんな綺麗ごとの世界ではないことは・・・。
人はいつも試されていて、日々決断を迫られているのかもしれません。
モノづくりのすばらしさはこっち方向のところには多くないのですが、こうした世界も一面としてあるのです。
春が来て多くのエンジニアが誕生したと思います。
皆様の前途に明るい未来がありますよう、心よりお祈りいたします。