ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.16 サマータイムの恐怖に要求のステークホルダーの在りようを見る

 

 最近のオリンピック関連の話からサマータイムが話題になっている。IT関係者としてその背後のITインフラに掛かる負担の大きさに戦々恐々となっている。

 ソフトウェア開発の関係者として、要求はハードウェアに比べて簡単に入ってくるし、簡単に変わる印象を昔から拭えないでいる。

 確かにせっかく作ったハードウェアを捨てるようなことにはならないだろうから、そんなに悪いこととは思わないだろうけど、実際には修羅場を生み出す源泉になっていたりする。

 サマータイムに適用していない家庭内の組み込み製品をすべて買い換えるとかの需要ができるはずもなく、期間限定のサマータイムは想像したくない困難さを伴うのである。

 ここで、少し考えてほしい。

 必要なのはサマータイムではない。安全な競技の遂行と快適な競技の観戦が達成されることが目的でサマータイムは手段の一つに過ぎない。
 つまりこの要求は真の要求を言わず、手段を指定した要求の姿である。

 手段に捉われない、解決策を識者には期待したい。

 ソフトウェア開発でも、言われたことをやるのが仕事だと思い込みすぎていないだろうか。何かを解決するための手段が今作っている製品なのである。
手段は必ずしも一つとは限らない。最善と思われた手段も角度を変えれば最善ではなくなるかもしれない。

 ものづくりにより、それを手にした人間を幸せにするのが作り手の社会貢献の姿と考えている。
 受身で仕事をするだけでは、十分な貢献ができているとは限らない。

 要求者が気付かない方法で要求者を幸せにできるかもしれない。