ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.113 正しいという表現の危うさ

 

 No.12でテストケースに「正しく動作すること」という記載の撲滅運動をしていることを書いていますが、ツイッターで同じようなことを言われている人がいるのだなあと思って感動しました。

 何故、書いてはいけないのかと、問われた場合、こう答えることにしています。

「〇〇が正しく動作すること」

 の○○の部分に製品名を入れてみてください。

 これでテスト設計は終了になってしまいます。これ以外のテストケースは必要ありませんが、テストする人によって不具合の流出が止まらなくなったりする危険がありますね。

 と、こういった感じです。これが全てではないですが、安易な説明は、安心と安全(品質)の穴を生み出します。

 そして、テスターのミスによっても不具合の流出は起こります。

 ミスの入り込む余地を残すことは罪なのです。

 完璧な作業と完璧なテストでも不具合は流出します。最初から間違ったものを正しいと思っていた場合です。自分の理解に他人の理解との差が入り込む余地を考えないと、そのリスクに気づくことはできません。
だから、解釈の幅が許容される表現を許容するべきではないのです。

 そういう人の知恵が、品質を守るのだと思っています。