ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.3 依存症は怖い

 

 最近、アルコール依存症の案件としてニュースを賑わせていた一件があったが、人の弱さは見た目ではわからないものである。

 多くの人が自分の成功体験から出てこられなくなるように、失敗を恐れずチャレンジしてきた頃の経験で、乗り切れるものなら乗り切ってしまおうとする。
これ自体は、ありきたりな話である。

 問題は、それを繰り返すうちに、考えなくなることが一番大きな問題である。

 経験に依存してしまうと、自分がした苦労は他人にとっても役に立つものと思ってしまうから、苦労を強要すべくプレッシャーを掛けることになる。
言うことを聞いて、何とかなった経験に依存すれば、自分は判断しない方が良いと考えるかもしれない。

 開発においてチャレンジャブルな部分があれば、やってみないとわからないのは事実である。
 無理だというのは簡単だが、どうすれば出来るか考えることは重要である。

 部下の無理という言葉を精神論で切らず、プレッシャーを掛けるのではなく、解を一緒に探す姿勢も重要である。

 会社という組織は軍隊的な統制を持つような時代から、変革を続けている。経験を重ねた人が上に立ったとき、自分の経験の中から出ないようでは、時代の変革の波に乗った新しい組織の台頭に抵抗しきれなくなってしまう。

 でも人は弱い。アルコールに限らず、依存できるものがあると頼ってしまう。いつの時代も勇気を振り絞って、変化を受け入れる柔軟さを持つ者が、生き残っていくのだろう。

 その意味では、「ソフトはわからない」といって、逃げてしまった人達もそれで済んでしまった経験への依存症である。
乗り越える勇気がいつの時代も試されている。