ソフトウェア開発のいろいろ

ソフトウェア開発のいろいろなこと一歩引いた位置から

No.76 組込みの世界の特殊性

 

 昔は正しくない開発手法を続けている会社は淘汰されてしかるべきという考え方をしていたものでした。

 そんな理屈で世の中を見ていた自分は、北朝鮮の政治が持つはずはないと思っていたのに、もう何十年もその体制は維持されています。
先はわかりませんが、少なくとも今はもっている訳です。

 正しくないからダメというのは真理ではありますが、社会における正解ではない部分がありそうだと考え始めてそれなりの時間が経ちました。

 組込みの場合、ソフトウェアの開発にリソースを掛けて、正しいプロセスで作ったとして、売り上げがそれで大きく伸長することは望めません。
経営者の望む結論に持って行く術がないので、従来通りのやり方に収まってしまうように感じています。

 もちろん民生品で、ソフトウェアの不具合で会社が傾くような損失を被った会社なら、それを防ぐための投資はできるかもしれません。

 しかし、産業用の組込みとなると閉じた世界の限られたパイの奪い合いの中では、圧倒的な売り上げの伸長も見込めないし、損失も限定的になります。

 この状況で、儲けを削ってソフトウェア開発を改める価値が経営者の視点では出てこないのもある意味、真理なのでしょう。

 さて、自分の置かれている状況をよく見て、今何をすべきか考える時かもしれません。
 誰かが何かしてくれるのを待つのではなく、自分から何かをつかみに行くことは大事なことです。

 それが場合によっては一生を決めるかもしれない・・・・可能性もありますので・・・。